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一般にファイバーを使用して紫外線を照射している装置の場合では、ファイバーから出てくるレーザー光線が広がってしまい、
このお客様が要求されている<ミクロン単位のスポット径で><わずか数ミリのレンズ径で><焦点距離は非常に長く><しかも短時間で樹脂を硬化させるだけのパワーを有して>
「紫外線照射を行うこと」は非常に困難です。
そこで
「天体望遠鏡の技術を集積している当社」の得意分野の「光学技術」を発揮すること
となったのです。天体望遠鏡の技術は基本的には遥かかなたの天体からやってくる微弱な光をいかに精度良く集光させるかと
いうことになります。しかも天体物理観測ではさまざまな観測機器に必要な光学系を必要に応じて開発しなければなりません。
世界中の天文学者がそれぞれの観測データを収得するためにさまざまなアイデアを出しています。
たとえば、太陽物理観測に用いるテレセントリック系光学系、あるいは彗星(ほうき星)の淡い尾を短時間で
撮影するためのシュミットカメラ、星の光を分光する大型のグレーティングプレートなどです。
そうしたノウハウを生かして、このような半導体関連メーカーの方々のご要求にお答えできる体制がすばる光電子にはあるのです。
まずとりあえず現在使用中の市販の紫外線スポット照射装置を使用して硬化に必要な紫外線の強度を確認しました。
これにより、ある程度見通しがつきましたので、次に手持ちのレンズセットを用いてミクロン単位のスポット径の照射装置を作りました。
これを用いて樹脂の硬化テストをしたのですが、残念ながらパワーが不足してうまく硬化しません。
「?、計算上は十分な紫外線強度が得られているはずなのだが?? と思いながら、調べていくと、紫外線発生部の高圧水銀ランプの
構造上、光ファイバーから出てくる光束の中心付近の強度が著しく低く、ちょうどドーナッツ状の光強度分布となっていることがわかりました。
このためレンズの構造によっては強度が著しく低下してしまうことがわかりました。
すでにご要望をお聞きしてから時間がたっています。
そこでお客様と相談して、市販の紫外線光源装置では無理なので、別途検討していた「青紫半導体レーザ」を採用することとしたのです。
計算上はある程度十分な強度をマイクロメートル単位の範囲に照射することが可能となりますが、すぐ近くの別の部品に光が当たってはいけないので、
高精度のスポット形状が要求されます。
青紫色の半導体レーザはまだ市販されてからあまり期間がたっておらず、価格が非常に高価です(1個で○十万円程度)。
また静電気に敏感で、簡単に静電破壊してしまいますので、取り扱いにも神経を使います。
実を言いますと、最初の半導体はレンズユニットを半分だけ組み立てたときに試験的に通電してみたのですが、最初はパワーがでていたのに、
数分でパワーが落ちてしまい、最後にはまったく発振しなくなってしまったのです。 後で調べてみるとやはり、静電気のために、半導体が破壊されて
いることがわかりました、、(涙)
こうしたトラブル続きの後、光学的調整を行いレーザーパワーを測定するときわめて高い効率で紫外線が照射できることがわかりました。
またスポット径も計算どおりで集光度が良いことがわかりました。
クリーンルーム内で装置に組み込み立会いで性能を確認し、無事に次世代の半導体製造装置にお役に立つことのできる光学部品を完成することができたのです。
「来期の予算で設備増加になりますので、さらに継続して開発をお願いいたします。」とお客様よりお話をいただくことができました。
この装置は、光学系はもちろん、レーザーを制御するマイクロコンピューター内蔵の電源装置から全体をコンパクトにまとめた機械部品まで、
すべて超短納期での開発を要求されたのです。
「半導体関連のお客様の工場では、性能はもちろん、納期が極めて重要である」ということを
私たちは、長年半導体関係の光学系の開発にかかわってきたことで非常によく理解しております。
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それは、ある日の一本の電話から始まりました。 「熱に弱い基板上に微細な部品を狭ピッチで
精度良くはんだ付けを行いたい。とりあえず市販されているレーザーはんだ付け装置を購入したが思うようなはんだ付けが出来ない。
すばる光電子でこの問題を解決できないか」
との半導体部品製造関連の会社の方からのお話でした。
しかし開発にはわずかな時間しかありません。
新規の0からの開発としては超短納期です。
とりあえず詳しくお話をお伺いすることとなりました。 |
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一般にファイバーを使用してレーザ光を引き出している方式ではファイバーから出てくるレーザー光線が広がってしまい、
このお客様が要求されている「いくつもの要求仕様を同時に実現すること」は非常に困難です。
そこで
「天体望遠鏡の技術を集積している当社」の得意分野の「光学技術」を発揮すること
となったのです。
例によって現在使用中の市販のファイバータイプのレーザはんだ付け装置を利用して要求されるレーザの性能を確認しました。
これにより、ある程度見通しがつきましたので、次に別の小型レーザを用いて試作機を作りました。これを用いてはんだ付けテストを
したのですが、残念ながらパワーが不足してうまくつきません。
そこで並行して設計していた別の案の装置を突貫工事で仕上げたのです。
それを工場のクリーンルームに持ち込みスイッチをONにします。多くの技術者が見守る中、見事にはんだ付けが出来ました。
「なんとか製品のライン立ち上げに間に合います。」との関係者の方々のお言葉をお聞きして充実した帰路についたのです。
この装置も、光学系やレーザを制御するマイクロコンピューター内蔵の電源装置、全体の機械部品まで、すべて超短納期での開発を要求されたのです。
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「どうしてもうまくいかないのですが、、、」
あるセンサーメーカーさんのレーザー溶接に関するご相談です。
現在使用しているレーザー溶接装置を使ってより微細なセンサーを新たに製造することになったのですが、従来使用しているものでは
どうしても目的の溶接ができないのです。
溶接すべき対象が他の部品の奥のほうにあり、レーザー光がそこに届くまでに他の部分に光があたり、その部分までが溶けてしまう
のです。
従来の製品では別の金属をそこに当てて熱を奪い、溶ける量が最小になるように工夫して作業を行っていたのですが、部品がより
微細になってきて、
そのやりかたでは目的の部分が溶けるよりも周囲が多く溶けてしまい、NGとなってしまいます。
従来の光学系では、どうしてもうまくいきません。 |
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最近の高機能の携帯電話などに使われている小型の部品の一部に1ミクロンより微細な構造を持つものがあります。
これを製造する現場ではこの部分の品質管理が大問題になっていました。
この部品の幅を全数検査しなければなりません。
これを行うためには電子顕微鏡などでは時間がかかりすぎて不可能です。光学顕微鏡でなければ使えません。
しかし光学顕微鏡は光の波長以下のものを見ることが極めて困難です。より細かいものを見たいときには使用する
光の波長を短くします。この場合には非常に波長の短い360ナノメートル程度の紫外線を使わなくてはなりません。
この紫外線は波長が短すぎて目には見えません。また従来の顕微鏡ではレンズ、ミラー、プリズムなどが全て光学的な性能が
不十分で全部の部品を作り直さなければなりません。 |
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現存する顕微鏡用の光学部品はこうした紫外線の要求に適合するものはわずかしかありません。いつものことですがお客様の
要求する納期は短いものです。全てを新たに作っていては間に合いません。 そこで現存する光学部品を総合して必要な
ものを揃え、不足する部品を新規に発注します。
ガラス屋さん、研磨屋さん、コーティング屋さんなど総動員して目的のものを作り上げます。
また紫外光は目で見えませんので、当然CCDなどの電子部品も必要になります。
しかしこの波長を見ることのできる高解像度のCCDカメラが当時はまだありませんでした。
しかしアメリカの半導体メーカーが開発中でした。これをあるルートで入手し、使用する
こととなったのです。 また既存の光学系の寄せ集めの場合、拡大倍率は
自由に選べませんが、お客様の要求にピッタリと合わすために機械的なノウハウでこの問題を解決します。
これは光学シミュレーションソフトと器械設計を組み合わせて解決します。
この手法は別のお客様の特殊なレーザー観測装置の光学系の開発の時に開発したものです。
これはひとつの光学電子システムの開発のノウハウが、別の装置の開発に利用できるように、
日ごろから心がけている結果なのです。
裏話)一度試作してお客様に使ってみてもらったのですが「ゴーストが出てしまう」というクレームでした。
そこでレンズ配置を検討して短時間で出来る対策方法を探りました。 「彗星の写真観測に使うシュミット
カメラにおけるゴーストの発生の経験から考えて、顕微鏡のリレーレンズ系の反射が悪影響を及ぼしている
可能性が一番高い」と直感的に考えましたので、あるレンズを裏返しにして設計をやり直し、レンズの位置
を修正し、さらに絞りを一枚追加して対応しました。 レンズ設計ソフトで一応の検討は出来ますが、
実際に装置に取り付けて見ないと結果は分かりません。
2日後に「OKだよ!」というお客様からの連絡を得てほっとしました(レンズを裏返しにした裏話)。
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